ZEH(ゼッチ)とは? メリット・デメリットを合わせて解説

ZEH(ゼッチ)とは? メリット・デメリットを合わせて解説

ZEH(ゼッチ)とは

 
ZEH(ゼッチ)とは、「ネット・ゼロエネルギー・ハウス(net Zero Energy House)」の略称です。
2014年経済産業省『エネルギー基本計画』で「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」と目標が設定されました。
 
ZHEの定義としては、「住宅の気密断熱性能を高め、さらに高効率な機器を導入することにより冷暖房・換気・給湯・照明に使用する一次エネルギーを減らしたうえで、太陽光発電および蓄電池を想定した再生可能エネルギーを導入し、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロ以下とすること」つまり住宅で消費するエネルギーよりも生産するエネルギーが多くなる住宅のことを言います。
 
現在のところ当初の政府目標の達成には至っておらず、エネルギー収支等の条件を緩めた「Nearly ZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」「ZEH Oriented (ゼロ・エネルギー・ハウス指向型住宅」という概念も導入され、これらを含めた広い概念として「ZEH」が用いられることが多くなっています。
 
 

ZEHのメリット

それでは、実際にZEH仕様住宅に導入するメリットとしてはどのようなものがあるでしょうか。
 
ZEH仕様の住宅には以下のメリットがあります。
 

ZEHのメリット
  • その①・・・快適な居住性
  • その②・・・光熱費の削減
  • その③・・・災害時の非常電源
  • その④・・・各種の補助金制度
  • その⑤・・・住宅ローンの優遇金利や所得税控除

 
 
順に解説していきます。
 
 

快適な居住性 | ZEHのメリット①

 
まず第一に挙げられるメリットとしては、居住性の向上になります。
気密断熱性能に優れた住宅に居住すると、外気の影響を受けにくくなります。
夏の暑さや冬の寒さが和らぎ、年間を通して室内の温度環境の変動が少なくなります。
特に、冬場の部屋間の温度差により脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす「ヒートショック」の危険が各段に減るでしょう。
 
 

光熱費の削減 | ZEHのメリット②

 
気密断熱性能に優れた住宅は最小限のエネルギーで空調が可能なため、光熱費の削減になります。さらに太陽光発電を導入し自家消費に充てることができれば、電力会社から購入する電力量を抑えることができます。昨今の電気料金の高騰対策としても非常に有効です。
 
 

災害時の非常電源 | ZEHのメリット③

 
太陽光発電による自家発電は、自然災害等による大規模停電時に大きな威力を発揮します。
系統電力が復旧するまでの間、生活に必要な最低限の家電や給湯器を運転することができるようになります。
また、蓄電池を導入することにより昼間の発電余剰分を夜間に持ち越すことができるため、さらに効果的です。
 
 

各種の補助金制度 | ZEHのメリット④

 
ZEH仕様住宅の購入には一般住宅に比べてコストが掛かりますが、政府が各種の補助金事業により建築を推進しています。
戸建住宅で60万以上の補助金が受けられるケースがありますので、積極的に検討しましょう。
補助金を受けるためには、基準に見合った住宅を実現させるために十分な知識があると認定された「ZEHビルダー/プランナー」が設計や施工に関与している必要があります。
 
時期や物件により使える補助金が変わってきますので、まずはお気軽にご相談ください!
 
 

住宅ローンの優遇金利や所得税控除 | ZEHのメリット⑤

 
住宅ローンを利用してZEH住宅を購入する場合、金利の優遇が受けられるケースがありますので金融機関に確認するようにしましょう。(2022年6月調べで▲0.01~0.05%程度)
また、2022年の税制改革により2025年末まで4年間期限が延長された「住宅ローン減税」では、「ZEH水準省エネ住宅」で借入限度額が4,500万(R5年の入居からは3,500万)となり、一般住宅の借入限度額2,000万よりも1.8倍も優遇されます。(控除期間は新築および買取再販住宅で13年、既存住宅10年)
 
 

ZEHのデメリット

 
ZEH仕様住宅は以下のようなデメリットもあります。
 
 

ZEHのデメリット
  • その①・・・建設費用のコストアップ
  • その②・・・設備のメンテナンス費用のコストアップ
  • その③・・・太陽光の発電量が予測しづらい

 
 
順に解説していきます。
 
 

建設費用のコストアップ | ZEHのデメリット①

 
ZEH仕様住宅は性能的に非常に優れたものですが、主にコスト面でのデメリットもあります。
 
当然ですが、建物の気密断熱および設備仕様が良いため建設費のコストアップになります。
それを補うために各種の補助金や税制優遇政策が用意されておりますが、それでもなお一般仕様の住宅よりはコスト増となります。
 
 

設備のメンテナンス費用のコストアップ | ZEHのデメリット②

 
高性能の設備を導入するため、その定期的なメンテナンス費用や耐用年数を超えたときに入れ替えるために掛かるコストの負担が大きくなってしまいます。
 
 

太陽光の発電量が予測しづらい | ZEHのデメリット③

 
ZEHは太陽光発電設備の導入が前提となりますが、発電量が天候に大きく左右されるため、当初の計画通りの収支にならないケースもあります。
 
 

まとめ

 
ここまでZEH(ゼッチ)住宅の仕様とメリット・デメリットについて解説してきました。
温室効果ガス(CO2)の削減のため、住宅の省エネルギー化・再生可能エネルギーの積極的導入の起爆剤として政府が強力に推進してきた住宅仕様ですので、補助金等多くの優遇政策が用意されています。
 
メリットも大きいのですが、高性能の設備の導入が必要だったり、どうしても建築コストが高くなってしまいます。2022年6月現在では、様々な建材価格が値上がりしており、住宅価格は上昇傾向にあります。
ZEH住宅も非常に魅力的ではあるのですが、購入後のローンで生活が苦しくなってしまうのは、本末転倒だと考えております。
 
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